2012.5.16 日本プロゴルフ選手権大会 日清カップヌードル杯 結果
今季初の予選落ちにも、戦う姿勢だけは崩さずに「スイングをしっかり作っていく」。
栃木県は那須烏山市の烏山城カントリークラブを石川遼が初めて訪れたのは小学校低学年の時だった。ゴルフ少年、少女たちに広く門戸を開いていた関東のコースはまだ数えるほどしかなかった当時、かねてからジュニア世代を多く受け入れていた同クラブは、石川が足しげく通い、腕を磨いてきた地のひとつだ。コースに対する思い入れは並大抵のものではない。
2012年5月、この場所で国内男子ツアーのメジャー初戦「日本プロゴルフ選手権大会 日清カップヌードル杯」が開催された。4月の「マスターズ」など米国遠征から帰国後、開幕戦から3試合を戦ってきたが、いずれもあと一歩のところで優勝争いから脱落。シーズン序盤に好転のきっかけをひとつ掴みたいところで、願ってもない巡り合わせとなった。
大会直前にプロアマ戦も含めてコースをチェックした石川。「グリーンが頭に入っているのが大きい。(ホールを)上から見たイメージができる」。毎ホールのアップダウン、そしてグリーンの強烈なアンジュレーションが待ち受ける丘陵コースを攻略するプランは日を追うごとに鮮明にできあがっていく。何度も踏みしめてきた芝の感触を確かめながら「大きなチャンスだと思う」と自信を深めたのだった。
ところが、満を持して迎えたトーナメントに入ると、石川は周囲の、そして自分自身の溢れんばかりの期待を大きく裏切ることになってしまう。前夜からの雨の影響を受けた初日。日中の雷雲接近によりスタートが約1時間半以上遅れ、午後2時過ぎにティオフすると、前半インからプレーは湿りがちとなった。
左ドッグレッグの12番ではフェアウェイバンカーからの第2打でグリーンを捉えられず、ボギーが先行。14番(パー3)でバーディを決めながらも、16番(パー3)ですぐにボギー。折り返した後のアウトでは6番で3パットボギーをたたいた。日没サスペンデッドにより、最終9番の1ホールを残してこの日は終了。巻き返しを図りたい2日目を前に「乱れに乱れた感じ。久しぶりに散々でした」と、苦しい表情を浮かべる。ここ数週間好調が続いていたショットに精彩を欠いた。「パットに関しては悪くない」。それだけにチャンスが作れないことがもどかしかった。
午前6時半過ぎに再開された2日目の第1ラウンド。未消化分の1ホールをパーとすると、2オーバーの86位タイで直後の第2ラウンドを迎えた。すると出遅れを取り戻すべく、突如キャディバックからアイアンを取り替えた。ここ1年使ってきたマッスルバックタイプから、それ以前に手にしていたキャビティバック。少ないフェースローテーションで打ち、手元ではなく体の軸を使ったスイングを心がけるのが目的だった。
ところが、2番(パー3)でバーディを先行させたものの、その後は前日に続き短いバーディパットを外す展開が続いた。通算2オーバーのまま迎えた16番(パー3)、グリーン右サイドのバンカーからリカバリーできずボギーをたたくと、17番(パー5)のティショットでは右サイドのクリークのさらに奥へと突っ込み、結局パーとしてしまう。予選ラウンドでプレーしたパー5、8ホールのうち、バーディがわずか1つでは、上位進出はおぼつかない。通算3オーバーの72位タイ。決勝ラウンド進出に2ストローク及ばなかった。
2日間で去ることになった大好きなコースに目をやりながら、茫然自失。今週はパッティングを新たにクロスハンドにして臨み「そこには手応えがあった」。しかしチャンスを作れなければ、その威力も影を潜めてしまう。
それでも「今優先すべきことはスイングをしっかり作ること。やるべきことが分からないわけではない」と言葉を搾り出した。目先の結果にとらわれずに戦う、その姿勢だけは崩せない。日々の鍛錬をなかなか結果で表現できない現実。今こそ試練を乗り越える時だ。
2011.5.17 日本プロゴルフ選手権大会 日清カップヌードル杯 結果
不調の中でも12位タイの結果に、実力の底上げを実感。
2012.5. 7 中日クラウンズ 結果
優勝争いにあと一歩足りず11位タイに終わる
同大会の開催コース、名古屋ゴルフ倶楽部・和合コースといえばゴルフ界を震撼させた快挙を成し遂げた地。石川は2010年大会の最終日に世界最少ストローク「58」をたたき出し、劇的な優勝を飾った。まだその余韻も残る名門コースで今季初優勝を狙った。
雨、寒さといった悪条件に見舞われた大会初日、石川は粘りのゴルフを展開した。1番からボギー、バーディと慌しい立ち上がりながら、9番で第2打をピンそば2メートルにつけてバーディとして折り返すと、その後2つのバーディを決めた。終盤17番でティショットをピン奥につけてロングパットを残し3パットボギーとしてしまい、結局4バーディ3ボギーの「69」。この日、初めて実戦投入した新しいパターに好感触を得ながら1アンダー、11位タイでの発進となった。
「我慢できたことで9番からチャンスを作っていけた。我慢比べになってくれれば、自分のほうがやりやすいと思っていた」と、近年の海外ツアー参戦でひろがったプレーの幅に自信をのぞかせた。
ところが翌2日目、乗りかけた勢いは突如ストップ。強風にも影響され、出だしからチャンスを作れず序盤からパーが並んだ。そして8番でバンカーからのセーブに失敗してボギーが先行。最終18番では4メートルのパットを惜しくも外してしまい、ノーバーディ、1ボギーでホールアウト。1つもバーディを奪えなかったラウンドは昨年10月の「コカ・コーラ東海クラシック」3日目以来、プロ転向後3度目のこと。「結構良い内容で回っていたが、何かが足りなかった。コースに忘れ物をした感じ」と消化不良の一日となり通算イーブンパーの12位タイで予選ラウンドを終えた。
9打差を追いかけてスタートした決勝ラウンド。ムービングデーの石川は、出だし2ホールを連続バーディと最高の滑り出しを見せる。数少ないチャンスホールをものにし、期待を持たせた。7番でボギーをたたいた直後の8番ではラフからの第2打でグリーンをオーバーし、ダブルボギーとして再び後退するが、中盤にバーディを重ねた。打ち下ろしの16番(パー4)でドライバーを振り切り、グリーン左まで運んでバーディとすると、17番(パー3)ではピンをかすめるスーパーショットで2連続バーディを決め、終わってみれば順位は変わらずもトップとは4打差で3日目を終えた。
しかし、逆転での今季初勝利へ大きな注目が集まった最終日、序盤の足踏みからそれは遠のいてしまった。1番で花道からのアプローチが寄らずにバーディを逃すと、2番(パー5)でもパーとして、最上位集団にプレッシャーをかけられない。「1番、2番をパーで終えると、3番がいっそう難しくなってしまう」との言葉通り、難関3番ではパーオンを逃し、ボギーが先行。7番以降、3つのバーディを決めて一時は首位との差を3ストロークまで詰めたが、15番(パー5)でフェアウェイからのショットを打てずにボギーをたたいて後退。結局イーブンパーの「70」とスコアを伸ばせない日曜日になってしまった。
通算2アンダー、11位タイ。目標としていた優勝争いには絡めなかった。「今週は『こっちに外してはいけない』といったことに少し過剰に反応してしまった」と、積極性を欠いた姿勢を悔いた。「58」をマークした2年前に比べれば、技術も、その引き出しの多さも格段に増えている。しかしそれによって"守り"のプレーに充実度を増した一方で、"攻守の切り替え"が新たな課題となってきた。"攻め"に転じたときに「ここぞ」という集中力を発揮できるか。もちろん、今も成長のプロセスであることに変わりはない。
次のツアートーナメントは5月10日開幕の国内メジャー初戦「日本プロゴルフ選手権大会 日清カップヌードル杯」。舞台はジュニア時代から慣れ親しんできた栃木県の烏山城CCだ。「大好きなコース。ショットはかなり良い状態なので、バランスよく練習していきたい」。米国遠征を終えてからすぐに3週連続で試合出場をしてきた石川。一度、羽を休めてしっかりと準備を整え、次戦に挑む。
2011.5.11 中日クラウンズ 結果
和合連覇は逃すもスイングの完成度は高まる
2012.4.25 つるやオープンゴルフトーナメント 結果
優勝争いに絡めずも「スイングの基盤ができてきた」
開幕戦となった「東建ホームメイトカップ」の最終日、首位とは2打差から逆転優勝を狙った石川だったが、パットに苦戦し10位タイフィニッシュ。開幕戦から3試合以内で優勝を目指すことに重点を置く石川にとってこの「つるやオープンゴルフトーナメント」、次に開催される「中日クラウンズ」と気の抜けない戦いが続いていく。
開幕前日の18日(水)はプロアマ戦に出場。18ホールのラウンドを終えたあと練習場に向かい、パッティングを念入りに調整した。「ようやくスイングの軸となるものができてきた」とショットは安定し、キレのある打球を披露していた。
「どんな調子でも最終日に優勝が狙える位置にいたいし、もちろん優勝を目指してプレーする」と迎えた初日。石川は3バーディ、5ボギーの通算2オーバー、81位タイと大きく出遅れた。この成績にも「そんなに悪いゴルフじゃなかった」と振り返ったが、「短いパットがなかなか入ってくれなかった」とラウンド後は練習場へ急行。タッチとストロークのズレに対する修正にすぐさま取り掛かった。
初日の晴天からは一転、夜半から降り続けた春の雨がコースを濡らした2日目。首位とは11打差といきなり窮地に立たされるも、その不穏な空気を払拭するかのごとく、1番でセカンドショットをピン約2.5mにつけてバーディ発進。さらに3番でも約60cmにつける鮮やかなセカンドショットを放ち2つ目のバーディを奪った。初日に苦しんだパットも、この日はもともと使用していたエースパターに戻すと、「転がりや距離感を予測できる」と5つのバーディを奪った。3つストロークを伸ばして通算1アンダー50位タイとして無事に予選を通過。「プレーに悔いなし」と決勝ラウンドに駒を進めた。
迎えた土曜日は朝から強烈な風がコースを吹き抜け、しかも一定しない。「1日中、びっくりするくらい風が吹いていた」という石川だが、スタートホールの10番からドライバーをフルスイング、果敢な攻めを展開する。「縦のミスが許されるので、ドライバーが一番安心して打てた」とスムーズなスイングを見せ、ほとんどのホールでフェアウェイをキープした。この日は7つのバーディを奪ってボギーは3つ。通算5アンダー22位タイまで順位を上げた。そのボギーについても「万が一、風を読み間違ったとしても、打ってはいけないところに打つミスをしないようにしなくてはいけない」と、さらなるマネジメント強化を目標に定めた。
最終日、9打差の首位を追いかけて波に乗っていきたい石川だったが、4.25インチのカップがこの日はいつにも増して小さく思えた。1番からバーディパットを打ち続け、4番では1.5mにつけるもこのパットも決められない。9番でこの日最初で最後のバーディを奪った石川は、1バーディ1ボギーとスコアを伸ばせず、20位タイで終戦。「笑いがでるくらいのゴルフ。ちょっと情けない」と唇をかみしめた。
それでも、スイングに関しては確実な手応えをつかみつつある。「今までは毎週やることが変わっていたけど、先週から今週にかけてはやることが変わらなくなってきている。スイングの基盤ができている」と自信を深める。次戦は2年前に世界最少スコアをマークした「中日クラウンズ」。「ショートゲームに関してやることはたくさんあるけど、バランスを保って練習できればまたチャンスは作れると思う」と、しっかりと前を見据えていた。
2011.4.27 つるやオープン 結果
終盤に苦しみ15位タイ。「内容」には不満も、「結果」に成長を実感
